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現住性

先ほど確認したように、現住建造物等放火罪の客体は人が現に住んでいるか又は現に存在している建造物等です。ちなみに人とは犯人以外の者を指すので、犯人が自分一人で住む家を燃やしたとしても現住建造物等放火罪にはなりません。では、現住性とはいかなる状態をいうのでしょうか。例えば宿直室や別荘なんかは現住していると評価できるのかよく問題となります。この点、住居とは人の起臥寝食の場所として日常利用される場所をいい、常日頃人が使用していることまでは要求されません。この定義からすれば少なくとも宿直室は現住していると評価されるでしょう。

一般論を述べてきましたが、少し関連する興味深い事案を見てみたいと思います。とある神宮に放火した事件の話ですが、本殿、拝殿、社務所などの建物が廊下(回廊)でくっついており、夜も神職などが社務所で宿直していたという状況で社殿の一部に放火した事件がありました。判例は「社殿は、その一部に放火されることにより全体に危険が及ぶと考えられる一体の構造であり、また、全体が一体として日夜人の起居に利用されていたものと認められる」から、物理的にも機能的にも全体が1個の現住建造物であるとして、現住建造物放火罪を認めました。

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